大和言葉(やまとことば)は日本古来からある日本特有の言葉
和語ともいいます
漢語・外来語と違い
日本人が美しいと感じる響きや語感があったりします
そんな美しい大和言葉を使って
秋の一日を見ていきましょう
大和言葉で美しさを感じる秋の一日
東雲(しののめ)
東の空がわずかに白み始める明け方の時間
しののめの ゆふつけ鳥の 鳴く声に はじめてうすき 蝉のはごろも
「拾遺愚草」藤原定家
<訳> 東の空がしらみはじめ、ニワトリの声が鳴き渡るころ、生まれたばかりの蝉が薄い羽衣を広げている。
色なき風
秋風
陰陽五行説で秋に白を配し、素風(そふう)といったことから
素=白
黄昏(たそがれ)
夕暮れ時刻の事
語源は「誰そ彼(たそかれ)」
薄暗くて人の顔がよく分からずに、「彼は誰?」と人に聞いたことから
寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 花の夕顔
「源氏物語」
<訳>もっと寄ってはっきり見たい。黄昏時にかすかに見た夕顔の花のようなあなたの顔を。
逢魔が時(おうまがとき)
日が暮れて闇夜が訪れようとしている頃
1日のうちで最も大きな禍(わざわい)に会いやすい時間
「大禍時(おおまがとき)」から転じたとも言われている
夜の帳(よるのとばり)
夜になって闇があたりを包み込む様子
「帳」(とばり)は室内を仕切る為に垂れ下げる大きめ布
「闇が布ののように、あたりを包み込んでしまった」様子をさす
星月夜(ほしづきよ)
月が出ていなくても星の輝きだけで月夜のように明るい夜の事
秋の季語
戸口まで 送って出れば 星月夜
正岡子規
それから又星月夜の空へしづしづとひとり昇って行つた
芥川龍之介
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