人物のキャラクターを表現するのはとても難しく
きちんと伝えようすると沢山の言葉が必要です
しかし慣用句を知っていれば
たった一言でその人の人となりを表現できることがあります
ただ使用するニュアンスを間違えると
誤解を生みやすい為
しっかり理解しておきたいところです
例文を読んで使用する場面を理解して
間違いのないよう使いこなしていきましょう🐱
【人物を評価する慣用句】 ―ここぞという時に一言で人となりを言い表せる便利な言い回し10選―
腰巾着(こしぎんちゃく)
実力者にまとわりついて、離れない人
「巾着」は布や革などでつくった袋で昔は腰に下げた
「俺が解散総選挙をやれと言ったのに聞かないからこうなるんだ。所詮は安倍の腰巾着、総理の器ではなかった」とばかり突き放した。
現代ビジネス 2022/12/1
私は太郎と次郎の二人を引き連れて、いつでも腰巾着づきで出かけた。
「嵐」島崎藤村
糟糠の妻(そうこうのつま)
夫が貧しい頃から連れ添ってきた妻
「糟糠」は酒かすと米ぬかで
それらを材料としたきわめて貧しい食事
平清盛は権力を得て、あまりにも朝廷と深い関係を持ってしまい、武士のリーダーとしてのレゾンデートルを失ってしまった。頼朝は、その姿を見て「自分は京の魔力に囚われてはいけない」と感じたことでしょう。だから頼朝は、糟糠の妻を決して捨てず大事にした。
集英社オンライン 2022/9/11
野沢屋茂木氏には糟糠の妻があった。彼女は遊女上りでこそあるが、一心になって夫を助け家を富した大切な妻であった。
「明治美人伝」長谷川時雨
慧眼の士(けいがんのし)
物事の本質を見破るような洞察力を持った人の事
「慧い」で「さとい」と読む
四季を憧憬し花鳥を称讃するのは陳腐な思想をくりかえして居るように見えるが、そうではなくその内に一歩々々新しい境地を見出しつつあることに気づくであろう。慧眼の士のみ夙にこれを知っておる。
「俳句への道」高浜虚子
注)「憧憬」…あこがれる事 「夙に」…ずっと以前から
アンドレス・イニエスタやトーマス・ミュラーを下部組織からトップチームに引き上げて重用するなど、若手の才能をいち早く見抜く慧眼の持ち主でもある。
集英社オンライン 2022/12/3
昼行燈(ひるあんどん)
ぼんやりしていて役に立たない人
明るい昼日中、行燈をつけても役に立たない事から
我々がリーダーと認識できる存在が山下泰裕JOC会長であり、室伏広治スポーツ庁長官だが、彼らもまた昼行燈のような発言と行動を繰り返し、政財界の操り人形にしか見えないのがスポーツ人のひとりとして悔しくてたまらない。
ディリー新潮 2022/10/16
いつも穏和しい栄坊ちやんが、「名主の家の昼行燈」が、こんなに意気込んでゐるのは、珍しいので、みんなは奇妙に思つた。きつと何か素晴らしい物があるのだらう、と思つた。
「良寛物語 手毬と鉢の子」新見南吉
お歴々(おれきれき)
身分、家柄、地位などが優れた人達
「歴々たる人々」の略
「歴々」は「はっきりしている」という意味
教育行政にあれこれ注文をつける経済界のお歴々は本書をよく読んでほしい。
HONZ 2022/8/20
僕アお歴々の中に殺人犯人がいるものだと思っていたけど、そうじゃないらしいんだってさ。
「不続殺人事件」坂口安吾
屋台骨(やたいぼね)
家・家業を経済的に支える資力
また、それを生み出す中心人物や働き手
もしくは、組織などを支える中心となるもの
彼がチームの屋台骨であるのは確か。素晴らしいセーブ見せた。本物のプロで、チームメイトは安心して彼にゴールを任せられるだろう。
サッカーダイジェスト 2022/12/5
ロシア経済の屋台骨である石油・ガス産業の先行きは、前途多難と言える。
Wedge 2022/12/13
立志伝中の人(りっしでんちゅうのひと)
努力を重ねて成功した人
「立志伝」は志を立て
成功した人の伝記の事
フランクリンは貧しいロウソク職人の息子として生まれたものの、勤勉さと向上心だけを武器に出世を続け、アメリカ独立革命時には外交官として活躍、ついには「アメリカ建国の父祖」の一人にまで数えられるようになった立志伝中の人。ゆえに彼の自伝が、出世の秘訣を伝える自己啓発本として読まれるようになったのは何ら不思議ではない。
現代ビジネス 2022/12/1
麒麟児(きりんじ)
将来大成を期待される少年
「麒麟」は中国の想像上の聖獣
キリンビールのロゴにも採用されています
貧困家庭の出身ながら16歳で国内最高峰の北京大学に入学し、学生の代表として卒業した麒麟児は、党のエリート養成機関「共産主義青年団(共青団)」のトップも務めた。
HAFFPOST 2022/10/25
映画は芸術と科学との結婚によって生まれた麒麟児である。
「映画芸術」 寺田寅彦
股肱の臣(ここうのしん)
頼りになる部下・腹心
「股」はもも「肱」はひじを表し
手足のように使える家臣という意味
こうした神戸山口組の幹部たちはいずれも井上組長の「股肱の臣」というべきだが、井上は自分の考えに近い寺岡や正木、中田にさえ最後は手のひらを返された。
FRIDAY 2022/10/24
「思うに、趙雲のごとき股肱の臣は、またとこの世で得られるものではない。それをこの一小児のために、危うく戦死させるところであった。一子はまた生むも得られるが、良き国将はまたと得がたい。……それにここは戦場である。凡児の泣き声はなおさら凡父の気を弱めていかん。故にほうり捨てたまでのことだ。諸将よ、わしの心を怪しんでくれるな。」
「三国志 赤壁の巻」吉川英治
狂言回し(きょうげんまわし)
物事の進行役を務める人
もともとは歌舞伎用語でストーリー展開に必要な登場人物のことをいう
『笑ゥせぇるすまん』も、喪黒福造を狂言回しにしつつ、各エピソードの主役になるのは、さえない感じの男性たちです。
AERA 2022/12/12
ペリー来航など近代日本の夜明けを描いた作品で、山本は狂言回しを演じる。
デイリー 2022/12/7
Twitter:しりとり先生 @siritorifun (フォローお待ちしております)