【ジブリ】

【ジブリの台詞で語彙力向上② 風の谷のナウシカ】ナウシカをより深く楽しむ秀逸な台詞8選

金曜ロードショーでは過去19回放送され(2024年現在)

ジブリ作品の中で最多放送回数を記録している「風の谷のナウシカ」

  

 

皆に愛されるナウシカは

ストーリーが素晴らしいのはもちろんですが

その台詞一つ一つが奥深く

 

 

言葉の意味を知ることでより深くナウシカを楽しむことができます

 

 

久しくみてない人も

つい先ほど見た人も

金曜ロードショー前の予習としても

少しわかりにくい台詞をおさらいすればより一層楽しめること請け合いです!

 

 

台詞はストーリー順となっています

ネタバレも含みますのでまだ本編を見ていない人は先に本編をご覧ください 

 

 

ユパ「みなも息災か」

  

 

  

 

【息災】(そくさい)

健康な事 達者 無事な事

 

 

元々仏教用語

病気や災害といった災いを仏の力で止めるという意味から転じている

 

 

「息」には止める・鎮めるといった意味がある。

 

 

★無病息災(むびょうそくさい)

=病気をせずに元気である事

 

 

ミト「 うむ!!丈夫というなら姫様は折り紙付きじゃ」

 

 

【折り紙付き】(おりがみつき)

折り紙は子供のころに遊んだ色紙という意味の他に、美術品などの鑑定書の意味がある

  

  

「刀剣の折紙」参考:名古屋刀剣博物館

 

 

折り紙付きとは、言い換えれば保証書付き、お墨付きという意味

 

 

「丈夫というなら姫様は折り紙付きじゃ」は
「姫様の丈夫さは保証書が付くくらい信頼性がある」
という意味

 

 

 

 

クシャナ「諌言(かんげん) 耳が痛い。辺境一の剣士ユパ・ミラルダとはそなたのことか。我らが目的は殺りくではない、話がしたい 剣を収められよ」

 

 

 

 

【諌言】(かんげん)

主に目上の人の過失を指摘して忠告する事

 

  

父(ジル)を殺され我を忘れたナウシカ

トルメキア兵と戦っている際に仲裁に入ったユパ様はトルメキアに怒りを抑え静かに問いかけます

 

 

「トルメキア兵に聞く。この谷の者は昨夜 そなたたちの船を救わんと必死に働いた。今もまた 死者を丁重に 葬ったばかりだ小なりとはいえ、その国に対する これがトルメキアの礼儀か ?戦をしかけるならばそれなりの理由があるはずまず使者をたて口上を述べるべきであろう」

ユパ・ミラルダ「風の谷のナウシカ」

 

 

これに対してトルメキアを指揮するクシャナが答えた台詞です

 

 

クシャナは腐海一と称される剣豪ユパの忠告を受け丁寧な対応をしていますが、「諫言」はあくまで下の者が上の者にする進言

 

 

下の者(ユパ)が上の者(クシャナ)に進言してくれたこと、耳が痛い

 

 

とクシャナは上下関係をきっちり言葉に現わしています

 

 

大ババ「殺すがいい!!めしいの年寄りさ 簡単なものだよ!!ジルを殺したように…」

  

  

 

 

【めしい】

目が見えない事

 

 

漢字では「盲」と書きます

主に文章で使うややかたいニュアンスのある言葉です

 

 

盲いる(めしいる)は
視力を失う、目が見えなくなるという意味

 

 

恋に盲いた年寄のあさましい執念狂気を思い描くことだろう。

坂口安吾「青鬼の褌を洗う女」 

 

 

めしいには、差別的なニュアンスはありませんが差別的な用語である「めくら」と似ている事から、差別的な印象を感じる人もいるかもしれませんので使用には特に注意が必要です

 

 

トルメキア兵「うわっ!殿(しんがり)を巻き込んだ」

 

【殿】(しんがり)

軍隊の列の最後 列の一番後ろ

 

 

しんがりは軍隊が退却する際に最後列で敵の追撃を防ぐ役割を担う部隊の事

 

 

兵法以外でも使用される事があり、
競馬ではレース中の位置取りが最後尾になる意味でも使用される

 

 

また、選手入場のような隊列を組んで行進している場合などに
最後尾の人物を評して「殿を務める(しんがりをつとめる)」などと表現する

  

  

次郎君はなまけているのではありません。せいいっぱい走っているのです。それでもしんがりです。いつもこうです。だから長距離は嫌です。もっとも短距離でも次郎君はいつもしんがりでした。

新実南吉「決闘」

  

 

クロトワ「いやだねえ…森の一つや二つで殺気立ちやがって」

  

 

 

 

【殺気立つ】(さっきだつ)

興奮した荒々しい気持ちが態度にあらわれる。殺気がかもし出される

 

 

ナウシカの住む風の谷は
森を大切に育ててきました

  
  

「貯水池を300年も守ってくれた森」というセリフがあるように
森を守り長く共生してきたことがわかります
 

 

大切にしてきたものが失われようとしている時

森を守ってきた風の谷の皆の抑えがたい興奮がにじみだす様子が分かる台詞です

 

 

「だれだ、だれだッ。」
と先頭の徳一君が、汗で、川からあがったばかりのようにぬれた顔を殺気立ててどなった。

新美南吉「貧乏な少年の話」

 

 

 

クロトワ「びくともしねえな」

 

【びくともしない】

少しも動かない 

  

  

「びく」は、ほんの少し動いたり驚いたりするさまを表現します

  

  

「そんならぼくはこの馬でもいいや。」みんなは楊の枝や萱(かや)の穂でしゅうと言いながら馬を軽く打ちました。
 ところが馬はちっともびくともしませんでした。やはり下へ首をたれて草をかいだり、首をのばしてそこらのけしきをもっとよく見るというようにしているのです。

宮沢賢治「風の又三郎」 

  

  

 

クシャナ「薙ぎ払え!どうした化け物 さっさと撃たんか!」

  

 

 

 

【薙ぎ払う】(なぎはらう)

勢い激しく横にはらう

  

  

地平線から横一列に迫ってくるオウムをせん滅するべく
クシャナが巨神兵に発した台詞

  

  

  

  

横にはらうという意味を持つ「薙ぎ払う」を使う事で
地平線いっぱいに広がるオウムの群れ、オウムの怒りをより一層感じることができます。

  

  

  

しりとり先生
しりとり先生
もう薙ぎ払うという単語で巨神兵以外のシーンが思い浮かばないです…🐱