白色は古来から神聖な色として扱われてきました
かつては天皇だけが白衣を着る事が出来たという最高の服色とされたくらいです
そんな白色ですが
日本には伝統的な白色が数多くあり
表現する言葉も美しくて綺麗な事から現代でも親しまれています
今日は美しくて神聖な日本の伝統色「白」をまとめました
【伝統色】「白」を表す美しくて神聖な和の言葉8選
生成色(きなりいろ)
黄色みがかった白
加工していない自然素材に近い繊維の色
C(シアン):0 M(マゼンタ):0
Y(イエロー):5 K(ブラック):3
webcolor #F7EFE3
卯の花色(うのはないろ)
卯の花とは空木(うつぎ)の花の事
日本古来の雪と間違えるような白色
「髪の毛が卯の花のように真っ白でござるな」
国枝史郎 「あさひの鎧」
C(シアン):1 M(マゼンタ):0
Y(イエロー):4 K(ブラック):2
webcolor #FBFBF6
鳥の子色(とりのこいろ)
黄色みがかった白
鳥の子とは「卵」の事で
卵の殻の色の事
越前の「鳥の子」、美濃の「書院」、摂津名塩の「間合」、何れも見事なものがあるが、余りにも世に知られてゐる料紙であるから、事新しく述べるまでもなからう。
柳宗悦 「和紙十年」
※鳥の子和紙とは 平安朝の初期において、斐紙と称されていました。西暦1338年ごろの記録にあらわれ、この名称は紙の色が鳥の卵にいているところから出ています
C(シアン):0 M(マゼンタ):2
Y(イエロー):15 K(ブラック):0
webcolor #fffbe3
白練(しろねり)
黄色みを消した練絹のような白色の事
絹の純白は古代から
神聖さを象徴する色とされてきました
伊国太田の城を水攻めにしたときの功で、豊臣太閤に白練に朱の日の丸の陣羽織をもらった。
森鴎外 「阿部一族」
C(シアン):0 M(マゼンタ):3
Y(イエロー):11 K(ブラック):0
webcolor #FCFAF2
乳白色(にゅうはくしょく)
わずかに黄色みがかった
乳のような不透明な白色
ああ、わが愛らしい原稿紙
いつも、お前の 懐しい乳白色の面の上に
穏やかに遮られた北の日光を漂わせよ
夜は、麗わしい台ランプの
穏密な緑色のかげを落して
われとともに
うたい、なげき、悦びにおどれ。愛らしい 愛らしい わたしの
原稿紙。宮本百合子 「五月の空 愛らしいわが原稿紙」
C(シアン):1 M(マゼンタ):0
Y(イエロー):7 K(ブラック):0
webcolor #fffffb
胡粉色(ごふんいろ)
日本画にも使われる白色顔料の「胡粉」の色
わずかに黄みがかった白色の事
雨あがりの大路の黒い土は、胡粉をこぼしたように白い斑で描かれている。
吉川英治 「親鸞」
C(シアン):0 M(マゼンタ):0
Y(イエロー):1 K(ブラック):0
webcolor #FFFFFC
月白(げっぱく)
月の色を思わせる薄い青みを含んだ白色
絵をかく時にとくゴフンは、白いが、白鳥を描くゴフンも、美人の顔を描くゴフンも、白き夕月を描くゴフンも、同じゴフンである。だが、出来上った絵は、それが立派な芸術である場合、月の白さと、白鳥の白さと、美人の顔の白さとはちゃんとちがったそれぞれの白さなのは何故か。
北大路魯山人「海の青と空の青」
C(シアン):2 M(マゼンタ):1
Y(イエロー):0 K(ブラック):4
webcolor #FFFFFC
純白(じゅんぱく)
完全な白色 真白とも
純白は元々色の名前ではなく
「穢れなく清らかな心、そのさま」の事
老祖母の膝にもたれて『白』と呼び慣れている純白な猫が睡っている。よほどよく睡っていると見えて、手も足も投げ出して長くなれるだけ長くなっている。かすかな鼾の声さえ聞える。
種田山頭火「夜長ノート」
C(シアン):0 M(マゼンタ):0
Y(イエロー):0 K(ブラック):0
webcolor #FFFFFF
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