日本は国土の75%が山地ですので
平地よりも圧倒的に山ばかりの国です
そしてその斜面は急斜面で
ほとんどが森林におおわれています
その為、季節の変化を山で感じる事が自然で
そのまま季節の雰囲気を伝える言葉が多くあります
例えば
春は「山笑う」
・春になり山の木々が芽吹く様子
夏は「秋滴る」
冬は「山眠る」
今回ご紹介する「山粧う(やまよそおう)」は秋を表します
美しい紅葉で彩られた秋の山を表した言葉ですが
彩はとても豊かです
今回は晩秋の山が
どんな色でお化粧されているのかご紹介したいと思います
【山粧う(やまよそおう)】 ―晩秋の秋。クライマックスの秋の色を総まとめ―
紅葉色(もみじいろ)
晩秋に赤く色づく紅葉の色
草の紅葉は「草紅葉」
ツタの紅葉は「ツタ紅葉」
夕陽に映える紅葉は「夕紅葉」といいます
手に拾ふまでの紅葉の美しさ
和田順子
鴇色(ときいろ)
トキの風切羽の色と同じ黄みがかった薄い桃色
山のお化粧もチークはピンクと言ったところでしょうか
ピンクがあると華やかなイメージです
ナオミは白っぽい、ふわふわした、薄紫の葡萄の模様のあるモスリンの単衣を纏って、幅のひろい、派手な鴇色のリボンで髪を結んでいました。
「痴人の愛」谷崎潤一郎
練色(ねりいろ)
白みの薄黄色。練絹や練糸のような艶のある色。
近いのはクリーム色
晩秋の肌寒い時期に暖かい色はほっとさせてくれます
山吹色(やまぶきいろ)
ヤマブキの花の色のような赤みがかった濃い黄色。黄色を示す代表的な色名
陽の光によって印象が大きく変わるのが特徴
アップルグリーン
青りんごの皮のような明るい緑色
=青りんご色
英語ではグリーンの代表格
葉が落ち、徐々に冬が近づく晩秋で
鮮やかなアップルグリーンに出会えると
元気をもらえます
灰白色(かいはくしょく)
灰色がかった白色
=オフホワイト
山の標高、木の種類によっては葉が散ってしまったものもあり
一足先に冬を感じさせてくれます
松葉色(まつばいろ)
松の葉のようなくすんだ緑色
針葉樹は一年を通して緑を楽しませてくれます
雪が針葉樹に積もる様は風情があります
朽葉色(くちばいろ)
赤みがかった黄褐色
枯れて茶色くなった落ち葉の色
この時期は山全体が落ち葉で覆われているので
山粧う下地の色です
歩くとふわふわしていて気持ちがよい
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